まったく一般的にはならなかったが、10年ほど前、アトランタ五輪に出場したメンバーたちを「ジェネレーションA」と名付けたことがある。
世界大会なんて夢のまた夢。アジアで勝つことさえ夢。負けることに慣れたそんな世代と違い、少なくともアジアを勝ち抜くのは当たり前、世界でも自分たちで 戦っていけるという実感を持った世代。彼らの出現によって、日本のサッカーは今後コンスタントに世界に出て行くはずだと確信した、あるいはそう思い込みた かった記憶がある。
幸いにして、アトランタ五輪以降、日本のサッカーはほとんどすべての世界大会に出場を果たしている。もはや、アジアでの勝利は夢ではなく義務となり、その意識は、国民全体にまでしみ通りつつある。
だが、世界大会への出場が当たり前になってきた一方で、日本サッカーがちょっとした行き詰まりの時期に差しかかりつつあったのも事実である。その原因は、アジアでは優勝を狙えても、世界に出ると中途半端に謙虚になってしまうメンタリティーにあった。
だが、ジェネレーションAの出現から10年、ついに新しい世代が生まれつつある。カナダで行われているU―20W杯に出場した選手たち、すなわち「ジェネレーションC」である。
純粋に選手のタレントだけを比較するのであれば、準優勝した99年のチームの方が上だろう。ただ、あの時のチームは、無欲のまま決勝にまで進出したチームであり、メンタリティーとしてはほぼジェネレーションAと同じだった。
それに比べると、今回のU―20日本代表は、選手たちが本気で優勝を狙い、実際に口にもしてきたチームだった。日本にもついに、世界大会での頂点を意識する世代が生まれてきたのである。
考えてみれば、いま20歳以下の彼らは、物心ついたころから世界大会で戦う日本代表をみてきている。ジェネレーションAが、アジアで苦闘する先輩 たちを不思議な気持ちで眺めていたことを思えば、ジェネレーションCが世界で勝てない先輩たちに物足りなさを覚えていてもおかしくない。
ちなみに、今回のU―20W杯で日本をPK戦の末に下したチェコは、続く準々決勝でも優勝候補のスペインを葬り、ベスト4にまで進出している。印 象的だったのは、日本戦ではPK戦を途中から正視できなくなり、円陣を組んで祈り続けたチェコの選手たちが、スペイン戦のPKでは平然と注視していたこと である。



