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【スポーツニッポン】カタールのエゴに付き合ったツケ(2007年7月11日)

 この日、両チームの選手が排出したCO2の総量は、欧州や南米の1試合につき排出される量に比べ、4割ほど少なかったに違いない。そういう意味では、実に地球に優しく、ファンには退屈な試合だった。

 ただ、その原因の大半がカタールの側にあることは、負け惜しみではなく指摘しておきたい。プロ・スポーツにとって結果はもちろん大切だが、同じぐらい内容、つまり娯楽性も重要である。しかし、残念なことに、この日のカタール選手からファンを意識したプロ意識は微塵( み じん)も感じることができなかった。彼らにあったのは、ただただ結果の追求。どんな内容であれ、勝ち点さえ奪えればいいというエゴイズムだけだった。

 まして、試合が行われていたのは気温30度、湿度70%を超えるベトナムである。そんな状況で、相手がスリリングな勝負などまるで望んでいなかったのだから、いくら日本が頑張ったところで試合がエキサイティングなものになどなるはずがない。

  世界的に欧州選手権の人気が高まっているのは、この大会がエンターテインメントとして鑑賞に耐えうる試合を量産しているからでもあるのだが、この調子でいくと、アジアカップだけは世界からそっぽを向かれる状況が続きそうだ。

  ただ、日本にも問題がなかったわけではない。

 カタールの露骨なまでの守備偏重サッカーを崩すのが難しかったのはわかる。しかし、敵陣でセカンドボールを奪った直後、ボールを大切にしたがるあまりバックパスが多すぎたのは事実である。通常、敵陣でボールを奪った際は「これ幸い」とばかりになだれ込んでいくのが強豪国のサッカーなのだが、日本の場合、チャンスの芽をあまりにも簡単に放棄しすぎていた。終了直前の同点ゴールは限りなく事故に近いものだったが、それでも、もう少しタテへの積極性をみせていれば、元ウルグアイ人の同点弾は単なる徒花(あだばな)で終わっているはずだった。

 そしてもう一つ。カタールの側に原因があったのは事実としても、日本の選手もまた、ゴールデンタイムの視聴者を意識していたとは思えない。タイトルのスケールが「世界」ではなく「アジア」だということを鑑みれば、結果だけでなく、内容で観客、視聴者を魅了することも考えてほしい。そんな余裕はない、そんなことはできないというのであれば、残念ながら、その選手は欧州のプロ選手の意識には到達していないということになる。



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