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【スポーツニッポン】J1昇格組進撃で大激震の秋(2009年5月1日)

 2部から昇格してきたチームにとって、トップリーグでの戦いは簡単なものではない。経験が違う。タレントが違う。財力が違う。昇格の歓喜を味わった1年後には、また元のリーグに逆戻り、という例は少しも珍しいものではない。実際、欧州の主要リーグを見ても、1部リーグに所属するチームの大半は、1部に居続けているチームである。

 それだけに、今季J2から昇格してきた2チームの健闘は光る。

 目を見晴らされるのは広島の戦いぶりだ。昨季、記録的なゴール数を記録したとはいえ、それはあくまでもJ2のこと。J1で通用するかという点に関しては、選手の中にも不安はあったはずだ。

 ところがどうしてどうして。ここまでのところ、彼らは敗れることはあっても、その攻撃力、得点力ではどのチームにもヒケをとらないということを見事に証明している。開幕以来、シュート数で相手を下回ってしまった試合は、アウェーでのガンバ大阪戦ぐらい。あとはすべて、シュートの雨を振らせている。

 個人的に「見て楽しいチーム」といえばガンバだという印象があったのだが、スピーディーな選手がゴール前になだれ込んでいく広島のスタイルも、娯楽として合格点がつけられるレベルにある。降格争いどころか、ACLの出場権争いに加わってきてもおかしくない。これは2年前、非難の集中砲火を浴びたペトロヴィッチ監督を留任させたフロントの勝利でもある。

 山形に関して言えば、なんといっても「情熱の深さ」だろう。チャンスの数は決して多くない。押し込まれる時間帯もある。それでも、チームを支えるファンの情熱が、数少ない決定的な場面での落ち着きを選手にもたらしている。

 ただ、新婚生活の熱がいつまでも続かないように、待望のJ1に昇格したという喜びも、いつかは冷めるときがくる。そして、熱量が減じることで、拾えていた紙一重の試合を拾えなくなるときがくる。

 昨季、降格確実と思われた千葉を救ったのはサポーターのすさまじい熱だったが、同じことが山形でも起こり得るかどうか。千葉と違い、サッカー専用スタジアムを持たないところが気がかりといえば気がかりだ。

 ともあれ、昇格組の2チームが好スタートを切ったことで、J1の降格争いは例年にも増して熾烈( し れつ)なものになることが予想される。気が早いようだが、大激震の秋になりそうな気配がある。



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