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【スポーツニッポン】大分はまず醜い勝利を!そして「次」へ(2009年5月22日)

 年間試合数が100を優に越えるプロ野球でさえ、これだけ負ければ事件である。34試合しかないJリーグでの9連敗。大分のファンは、胃に穴があくどころか内臓すべてを吹っ飛ばされたような気分になっているだろうし、選手やフロントにいたっては、息をするのも辛(つら)い状況かもしれない。まして、彼らは昨年のナビスコ杯王者である。たった1年でこれほど鮮やかな天国と地獄のコントラストを描くチームも珍しい。

 それにしても、一体何が大分に起こっているのか。名古屋に逆転負けを喫したとはいえ、開幕戦の内容は悪くなかった。きっちりとした守りと抜け目のない得点力は健在で、今年もジャイアント・キラーとして存在感を発揮していくものと思われた。

 おかしくなり始めたのは、第5節の山形戦あたりからか。絶対的に強さを誇ったホームでの試合を落とすと、そこから連敗街道に突入。昨年はことごとく拾っていった1点差の試合を5試合連続で落としてしまった。そして、勝てる試合を落としていくうち、安定していた守備までおかしくなってしまった。

 一般的な流れでいけば、監督を更迭して人心の一新を図るというのが常套(とう)手段だろう。だが、シャムスカ監督はタイトルが夢の世界でしかなかった大分を鍛え、ナビスコ杯をもたらした功労者である。大分の予算規模を考えた場合、彼のスタイルが最も効率的であることも間違いない。しかも、次に連れてくる監督がチームにフィットするかはまったくの未知数となれば、簡単に動くわけにはいかない。

 極めて難しい立場に、大分は追い込まれてしまった。

 結果によって内容を蝕(むしば)まれてしまったチームは、やがて、内容に慰めを見いだすようになる。いつしか勝てないことが前提となるため、「内容はよかった。次こそは」と考えるようになるわけだ。

 だが、結果を伴わない内容が、連敗中のチームに本当の自信を与えることは、まず、ない。いまの大分に必要なのは、美しい敗戦ではなく醜(みにく)い勝利である。

 そして、彼らにとってもっとも大切となるのは、連敗を脱した次の試合ということになるかもしれない。連敗のあとに味わう勝利の味は格別だが、格別すぎるがゆえに、次の試合を忘れさせてしまうほどの魔力がある。脱出したと思った穴に再び墜(お)ちるほど、チームを消耗させることはない。JFLで下位に低迷するチームに携わる者からの、ささやかなアドバイスである。



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