株式会社クロス・ビー

NEWSPAPER


【スポーツニッポン】俊輔と大久保 南アへの対照的な選択(2009年6月22日)

 代表チームとは、その名の通り、その国を代表する選手の集合体である。普段は別々のチームでプレーしている才能が一つ場所に集い、小さなギャップ、ズレを埋めていく。そのための助力をするのが代表監督でもある。従って、代表チームが強くなるための唯一無二の方法は、各チームで個々の能力を磨いていくこと、になる。

 もちろん、国によっては代表チームの強化にクラブ方式を取り入れ、集合体としてのポテンシャルをあげていく、という方法を取るところもないわけではない。だが、国内リーグが充実し、有能な選手が海外でもプレーするようになったいまの日本では、それも無理な話である。では、南アフリカで結果を残すために、選手はどうすればいいのか。まったく異なる2つの答えが、ここにきて提示された。

 確実視されたマリノス行きから一変、スペインの古豪エスパニョールへの移籍を選ぼうとしている中村俊輔である。

 W杯における日本の立場を考えた場合、この移籍は直接的な効果を中村にもたらすのではないか、とわたしは見ている。つまり、劣勢の試合の中で何ができるか、少ないチャンスをいかにモノにするかというテーマと、彼は日常的に向かい合うことになる。スコットランドにおけるセルティックのような試合がW杯での日本代表には望めない以上、エスパニョールで結果を出した場合に中村が得るものは極めて大きい。

 とはいえ、このチームにはデ・ラ・ペーニャという選手がいる。攻撃面では天才的なひらめきを見せるものの、守備力はかなり低い。中盤に2人、攻撃的な選手を置く余裕が堅守速攻にこだわってきたエスパニョールにあるかどうか。レギュラー獲りは、中村にとっても相当厳しい戦いになる。

 対照的に、わずか半年でのUターンを決意したのが大久保だった。出場機会は決して多くなかったとはいえ、欧州CLへの出場を決めたヴォルフスブルクからの退団には、正直言って驚かされた。

 多種多様な対戦相手と真剣勝負ができる舞台に背を向けた以上、つまりW杯に向けた予行演習の機会を捨てた以上、Jリーグで爆発的なゴールの量産をしなくては意味がない。「これからでも得点王を」は冗談ではなく、なかばノルマでもある。これからの道が、いままで歩んできたものよりも厳しくないのでは、新しい道を選んだ意味がない。これは、代表を目指すすべての選手に言えることでもある。



LINK





FC琉球

AD