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【スポーツニッポン】W杯未経験のFWに期待していいのか(2009年7月24日)

 これは国民性なのだろうか。それとも日本人特有のサッカー観なのだろうか。

 たとえばGK。いまのところ、日本代表の守護神は楢崎が務めている。もし彼がケガをしたら?おそらくは川口の名前があがってくるだろう。なぜか。2人にはW杯の経験がある。そして、多くの日本人は、W杯のような大きな舞台のゴールマウスを、経験のない若手に任せることに不安を覚える。

 たとえばMF。中村俊輔抜きの中盤は考えにくい。個人的には遠藤の貢献度も少しも負けていないと思うのだが、それでも、まず中村の名前が頭に浮かぶ人は多いだろう。これも、彼がW杯ドイツ大会でプレーしているからなのかもしれない。


 DFもまたしかり。大黒柱は誰かと問われれば、多くの人が中沢と答えるのではないか。彼にもW杯の経験がある。

 なのに、なぜなのだろう。なぜFWだけは、W杯における経験が重要ではないように感じられてしまうのだろう。前回大会に出場した日本代表のFWは、なぜこの時期、大黒柱として期待されていないのだろう。

 これは、4年前と現在に限った話ではない。W杯初出場となったフランス大会以降、日本代表のFWは常に入れ替わってきた。他のポジションに前回大会の経験者が多く揃(そろ)う中、FWだけは毎回フレッシュな顔ぶれだった。4年前のこの時期は、大黒が救世主として期待されていた。

 もちろん、岡崎が優れたストライカーであることに疑問の余地はない。だが、彼にはW杯の経験がない。4年前の大黒がそうだったように、大きな国際舞台の経験がない。

 無邪気に期待してしまっていいのだろうか。

 過去のW杯の歴史をひもといてみても、2回目となる出場で飛躍したストライカーは少なくない。ケンペス、ロッシ、ロマーリオ――。G・ミュラーやリネカー、スキラッチのように、初めてのW杯で大爆発する選手がいる一方で、経験を糧に台頭する選手もいる。このあたりは、他のポジションと変わることはない。

 だが、日本ではなぜか、勢いという条件ばかりが重視されてしまっている。釜本以来、ストライカーに恵まれなかった歴史が、このポジションに必要以上の才能至上主義を持ち込ませてしまったのかもしれない。

 過去、W杯の経験を持たない日本のFWは、例外なく苦闘を余儀なくされた。そろそろ、発想の転換が必要なのではないだろうか。



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