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 去年のいまごろ、わたしは恥ずかしながらヴェルディを新シーズンの優勝候補にあげていた。天皇杯での鮮烈な勝ちっぷり、個性的なタレントの台頭は、名門の復活を予感させるに十分だったからである。

 だが、結果はご存じの通り。サッカーの世界では結果が内容を蝕(むしば)んでいくことが多々ある。どれほど素晴らしいサッカーをしていても、それ が結果に結びつかない場合、選手の心中に芽生える疑心暗鬼がチームを崩壊させていってしまうのだ。シーズン終盤、J2降格を間近にしたヴェルディに、天皇 杯での若々しい香りを感じ取ることはできなくなっていた。

 とはいえ、これはチャンスかもしれない。



 あちこちのメディアで絶賛されているが、確かに今年の高校サッカー選手権決勝は素晴らしかった。

 あらためて痛感させられたのは日本という国における地域性の大きさである。あの試合は、言い方を変えれば異なる2つの精神の激突といってもよかった。

 野洲のボールの出どころに「特攻」的に圧力をかけ続けた鹿児島実の選手たちは「自己犠牲」という精神によって結ばれていた。どれほど体力があろうとも、精神的なつながりがなけばあれほど献身的なプレッシャーはかけられるものではない。



 

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